不動産登記の特例方式とは|オンライン申請と書面提出を併用する方法

要点まとめ

不動産登記の特例方式は、オンライン申請と書面提出を組み合わせた手続き方法で、添付情報が書面の場合でも登記ねっと経由で申請できる制度です。

申請データはオンライン送信し、登記識別情報を除く添付書類は受付日を含めて3日以内に法務局へ郵送または持参する必要があります。

スマホだけで完結したい場合、iPhone+マイナンバーカード+電子署名くんでPDFに電子署名できます。

特例方式とは

特例方式は、正式には「不動産登記令附則第5条第1項の規定による申請」と呼ばれ、平成20年1月15日から法務省が実施している制度です。添付情報が書面で作成されている場合に、その書面を法務局に提出する方法によりオンライン申請ができます。

完全なオンライン申請と書面申請の中間的な方法のため、「半ライン申請」とも呼ばれます(出典:法務省)。

なぜ電子署名が必要か

特例方式でオンライン申請を行う場合でも、申請データには電子署名を付与する必要があります(出典:法務省)。

電子署名により、申請者本人による手続きであることを証明し、申請データの改ざんを防止します。登記識別情報の提供も電子署名を付与した形式で行います。

特例方式が利用できる場合

  • 添付書類が紙の原本で、スキャンや電子化が困難な場合
  • 印鑑証明書や住民票など、原本提出が求められる書類がある場合
  • 電子署名の付与方法がわからない添付書類がある場合
  • 全書類の電子化に時間がかかるが、早急に申請したい場合

特例方式の手順

  1. 申請用総合ソフトで登記申請書を作成
  2. 申請データにマイナンバーカードで電子署名を付与
  3. 登記ねっと経由でオンライン送信
  4. 受付完了の通知を確認
  5. 添付書類(書面)を受付日を含めて3日以内に法務局へ郵送または持参
  6. 書面に「オンライン申請の受付番号」を記載
  7. 法務局で審査完了後、登記完了

添付書類の提出方法

郵送の場合

書留郵便または簡易書留で送付し、封筒に「不動産登記オンライン申請書類在中」と記載します。受付日を含めて3日以内に法務局に到着するよう余裕を持って発送してください。

持参の場合

法務局の窓口に直接提出します。受付番号を伝えると、オンライン申請と紐づけて処理されます。

スマホで登記申請データに電子署名する方法

電子署名くんを使えば、iPhone だけで登記申請データに電子署名を付与できます。

  1. 申請用総合ソフトで作成した申請データを PDF 化
  2. 電子署名くんを起動し、PDF を選択
  3. 「署名する」をタップし、マイナンバーカードを読み取る
  4. 署名用パスワード(6〜16桁)を入力
  5. 署名済み PDF を申請用総合ソフトで取り込み、オンライン送信

よくあるエラーと対処法

  • 「添付書類が3日以内に到着しませんでした」:申請が却下されます。再度オンライン申請からやり直してください。
  • 「受付番号が見つかりません」:書面に記載した受付番号が間違っていないか確認してください。
  • 「登記識別情報の形式が正しくありません」:登記識別情報提供形式は申請用総合ソフトで作成し、電子署名を付与してください。

よくある質問

Q: すべての添付書類を書面で提出できますか? A: 登記識別情報は電子形式で提出する必要があります。その他の添付書類は書面で提出できます。
Q: 3日以内とは土日祝日も含みますか? A: いいえ、受付日を含めて法務局の開庁日で3日以内です。
Q: 完全オンライン申請との違いは何ですか? A: 完全オンライン申請はすべての書類を電子化しますが、特例方式は添付書類を書面で提出できます。
Q: 登記手数料は変わりますか? A: 特例方式でも登録免許税の軽減措置(土地の売買は1,000円減額)が適用されます。

参考リンク

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