不動産登記のオンライン申請とは|電子署名の方法と必要書類
不動産登記のオンライン申請は、2008年から可能になったインターネット経由の登記手続きです。法務局の窓口に行かず、自宅のパソコンから24時間いつでも申請できます。
オンライン申請では、申請書と添付書類の PDF に電子署名が必須です。電子署名により、申請者の本人確認と書類の改ざん防止を実現し、紙の印鑑証明書と同等の法的効力が認められます。
スマホだけで完結したい場合、iPhone+マイナンバーカード+電子署名くんで PDF に電子署名できます。登記申請の添付書類作成も数十秒で完了します。
不動産登記のオンライン申請とは
不動産登記のオンライン申請は、法務省が提供する「登記・供託オンライン申請システム(登記ねっと)」を使って行います。2021年の商業登記規則改正により、これまで窓口申請のみだった登記手続きがオンラインでも可能になりました。
オンライン申請には、以下の2つの方法があります。
- 完全オンライン方式:申請書と添付書類をすべて電子データで送信
- 特例方式(半ライン方式):申請書は電子データ、添付書類は書面で法務局に提出
完全オンライン方式では、添付書類の PDF に電子署名を付与する必要があります。電子証明書を取得していない場合や、データ容量が大きい場合は、特例方式を選択できます。
なぜ電子署名が必要か
不動産登記のオンライン申請では、申請書と添付書類に電子署名が必須となっています(出典:GMOサイン 電子申請(オンライン申請)で登記が可能に)。電子署名は以下の役割を果たします。
- 本人確認:申請者が確かに電子証明書の所有者であることを証明
- 改ざん防止:送信後にデータが書き換えられていないことを保証
- 否認防止:後から「申請していない」と主張できないようにする
電子署名には、マイナンバーカードの電子証明書や、商業登記電子証明書、セコムパスポート for g-id などが使用できます。
オンライン申請の手順
不動産登記のオンライン申請は、以下の手順で行います。
- 申請用総合ソフトのインストール:法務省のサイトから無料ダウンロード(Windows のみ対応)
- 電子証明書の準備:マイナンバーカードまたは商業登記電子証明書を事前に取得
- 申請書の作成:テンプレートを選択し、不動産の情報や申請者情報を入力
- 添付書類の準備:登記原因証明情報、印鑑証明書などを PDF に変換
- 電子署名の付与:申請書と添付書類に電子証明書を使って署名
- データ送信:申請用総合ソフトから法務局へ送信
- 登記免許税の納付:インターネットバンキングまたは金融機関窓口で納付
申請が受理されると、法務省から通知が届きます。不備がある場合は、補正書類をアップロードして修正できます。
添付書類のデータ容量制限
不動産登記のオンライン申請では、1申請あたりに送信できるデータ容量に上限があります。
- 不動産登記・商業登記・法人登記:15MB まで
- 動産譲渡登記・債権譲渡登記:20MB まで
- その他の手続き:10MB まで
15MB を超える場合は、画像の解像度を下げる、PDF を圧縮するなどして容量を削減してください。どうしても削減できない場合は、特例方式で書面提出を選択できます。
使用できる電子証明書
不動産登記のオンライン申請では、以下の電子証明書が使用できます。
| 証明書の種類 | 発行元 | 用途 |
|---|---|---|
| マイナンバーカード | 地方公共団体情報システム機構 | 個人の本人確認 |
| 商業登記電子証明書 | 法務省(登記所) | 法人の本人確認 |
| セコムパスポート for g-id | セコム | 個人・法人の本人確認 |
個人が申請する場合は、マイナンバーカードの電子証明書が最も手軽です。法人の場合は、商業登記電子証明書が必要になります。