不動産登記のオンライン申請|2025年版手順と必要書類・電子署名を解説

不動産登記のオンライン申請は、法務省の「登記・供託オンライン申請システム(登記ねっと)」を使って行います。所有権移転登記、抵当権設定登記、住所変更登記などの手続きを、自宅やオフィスから24時間いつでも申請できます。

オンライン申請では、申請書への電子署名が必須です。マイナンバーカードまたは商業登記電子証明書を使って署名を行うことで、申請者本人であることを証明し、データの改ざんを防止します。

スマホだけで完結したい場合、iPhone+マイナンバーカード+電子署名くんで PDF に電子署名できます。登記申請の添付書類への署名も、数十秒で完了します。

不動産登記のオンライン申請とは

不動産登記のオンライン申請は、法務省が運営する「登記・供託オンライン申請システム(登記ねっと)」を使って行う電子申請です。従来の書面申請では法務局窓口への提出が必要でしたが、オンライン申請ならインターネット経由で完結します。

2025年現在、以下のような登記手続きがオンライン申請に対応しています。

  • 所有権移転登記:売買・相続・贈与による不動産の名義変更
  • 抵当権設定登記:住宅ローンなどの担保設定
  • 抵当権抹消登記:ローン完済後の担保解除
  • 所有権保存登記:新築建物の初めての登記
  • 住所変更登記:所有者の住所移転による変更

オンライン申請では登録免許税の軽減措置があり、書面申請より税額が安くなる場合があります。

なぜ電子署名が必要か

登記・供託オンライン申請システムでは、申請データの送信時に電子署名が必須となっています。電子署名は紙の申請書における押印に相当するもので、以下の役割を果たします。

  • 本人確認:申請者が確かにマイナンバーカードまたは電子証明書の所有者であることを証明
  • 改ざん防止:送信後にデータが書き換えられていないことを保証
  • 否認防止:後から「申請していない」と主張できないようにする

特に所有権移転登記のような重要な権利変動を伴う手続きでは、厳格な本人確認が求められます。個人はマイナンバーカード、法人代表者は商業登記電子証明書を使って電子署名を行います。

オンライン申請の基本的な流れ

不動産登記のオンライン申請は、以下の手順で行います。

  1. 申請用総合ソフトのインストール:法務省提供の「申請用総合ソフト」をダウンロード・インストール
  2. 利用者登録:登記ねっとで利用者 ID とパスワードを取得
  3. 申請書の作成:ソフト上で登記申請書を作成し、必要事項を入力
  4. 添付書類の準備:登記原因証明情報、印鑑証明書などを PDF 化
  5. 電子署名の付与:マイナンバーカードまたは電子証明書で申請書に署名
  6. 申請データの送信:登記ねっとに接続して申請データを送信
  7. 登録免許税の納付:オンライン納付またはペイジー経由で納付
  8. 審査・登記完了:法務局で審査後、登記完了証を電子交付

申請から登記完了までの期間は、登記の種類や法務局の混雑状況によりますが、通常1〜2週間程度です。

必要書類と準備するもの

オンライン申請で必要となる主な書類は以下の通りです。登記の種類により異なるため、詳細は法務局で確認してください。

所有権移転登記(売買)の場合

  • 登記原因証明情報(売買契約書など)
  • 登記識別情報(権利証)または登記済証
  • 印鑑証明書(売主・買主)
  • 住民票の写し(買主)
  • 固定資産評価証明書

抵当権設定登記の場合

  • 登記原因証明情報(金銭消費貸借契約書など)
  • 登記識別情報(権利証)
  • 印鑑証明書(設定者)
  • 会社法人等番号(抵当権者が法人の場合)

その他必要なもの

  • マイナンバーカード(個人の場合)または商業登記電子証明書(法人の場合)
  • IC カードリーダー(パソコン申請の場合)
  • 登録免許税の納付手段(ペイジー対応口座など)

書類は PDF 形式でアップロードする必要があります。スキャンまたは写真撮影で電子化してください。

よくあるエラーと対処法

「電子署名の検証に失敗しました」エラー

原因:電子証明書の有効期限切れ、またはパスワード入力ミス。

対処法:マイナンバーカードの署名用電子証明書の有効期限(発行から5回目の誕生日まで)を確認してください。期限切れの場合は市区町村窓口で更新手続きが必要です。

「添付ファイルのサイズが大きすぎます」エラー

原因:PDF ファイルのサイズが上限(1ファイル10MB)を超えている。

対処法:PDF 圧縮ツールでファイルサイズを小さくするか、複数ページを分割してアップロードしてください。

「登録免許税の計算が合いません」エラー

原因:固定資産評価額の入力ミス、または税率の誤り。

対処法:固定資産評価証明書の金額を再確認してください。登録免許税の計算は、評価額×税率(所有権移転なら2%、抵当権設定なら0.4%など)で行います。

よくある質問

Q: オンライン申請と書面申請、どちらが費用が安いですか? A: オンライン申請の方が登録免許税の軽減措置があり、数千円安くなる場合があります。詳細は法務局で確認してください。
Q: 自分で申請するのと司法書士に依頼するのでは? A: 自分で申請すれば司法書士報酬(3〜10万円程度)が不要ですが、複雑な登記は専門家に依頼する方が安全です。
Q: 登記完了後の書類はどうやって受け取りますか? A: 登記完了証と登記識別情報通知は電子交付されます。申請用総合ソフトでダウンロードして保存してください。
Q: 相続登記もオンラインでできますか? A: はい、可能です。ただし遺産分割協議書や戸籍謄本などの書類が多くなるため、初めての方は司法書士に相談することをおすすめします。
Q: 申請後に間違いに気づいた場合は? A: 審査中であれば取り下げが可能です。登記完了後は更正登記や抹消登記が必要となり、再度費用がかかります。

参考リンク

スマホで登記書類に電子署名

不動産登記の添付書類や各種申請書への電子署名は、電子署名くんで簡単に完了します。iPhone とマイナンバーカードだけで、完全ローカル処理による安全な署名が可能です。