スマホ版マイナンバーカード活用ガイド|電子署名くんとe-Tax対応

要点まとめ

スマートフォンのマイナンバーカードは、カード機能をスマホで利用できるサービスで、Android版は2023年5月、iPhone版は2025年6月24日に開始しました。

電子署名・本人確認がスマホだけで完結し、e-Taxなどの電子申告やマイナポータルでの各種行政手続きで、カード読み取り不要でオンライン申請できます。

スマホだけで完結したい場合、iPhone+マイナンバーカード+電子署名くんでPDFに電子署名できます。

スマートフォンのマイナンバーカードとは

スマートフォンのマイナンバーカードは、物理的なカード機能をスマホへ搭載できるサービスで、デジタル庁が無償で提供しています。

セキュリティが高く、カードを持ち歩かなくても、スマホだけで電子署名や本人確認が可能になります。

2つのサービス形態

サービス名 対応OS 開始時期 特徴
Androidスマホ用電子証明書 Android 8以降 2023年5月 マイナポータルアプリ内に電子証明書を搭載
iPhoneのマイナンバーカード iOS 18以降(iPhone XS以降) 2025年6月24日 Appleウォレットに追加して利用

💡 重要なポイント

  • 物理的なマイナンバーカードは引き続き有効です
  • スマホ版と物理カード両方を併用できます
  • 利用開始時には物理カードが必要です(初回登録時のみ)
  • スマホ紛失時でも、物理カードで手続き可能

スマホ版マイナンバーカードが必要な理由

スマホ内に電子証明書を搭載すれば、デジタル庁の案内どおりオンライン手続きが迅速になり、本人確認と電子署名をワンストップで実行できます。

  • 窓口やカードリーダーがなくてもe-Tax等を申請できる
  • PDFへの電子署名や本人確認を移動中でも完了できる
  • 物理カードの持ち歩きを減らし、紛失リスクを抑えられる

スマホ版マイナンバーカードでできること

スマートフォンのマイナンバーカードで利用できるサービスは順次拡大しています。主な用途は以下の通りです。

電子署名・電子申告

  • e-Tax(確定申告)
    スマホだけで確定申告の電子署名が可能。カード読み取り不要で申告できます。
  • eLTAX(地方税申告)
    住民税等の電子申告にも対応。
  • マイナポータル「ぴったりサービス」
    子育て・介護関連の申請・届出に電子署名して提出できます。

本人確認

  • マイナポータルログイン
    スマホだけで本人確認してログインできます。
  • 行政サービスの本人確認
    各種行政手続きのオンライン申請時に本人確認として利用。
  • 民間サービスの本人確認(一部)
    銀行口座開設、証券口座開設などで利用できるサービスもあります。

その他の機能

  • 健康保険証としての利用
    医療機関での受付時に、スマホをかざして利用できます(対応医療機関のみ)。
  • 公的個人認証サービス
    電子契約など、公的個人認証が必要な場面で利用できます。

⚠ 注意点

  • 全てのマイナンバーカード機能がスマホ版で使えるわけではありません
  • サービスによっては物理カードのみ対応の場合があります
  • 最新の対応状況はマイナポータルアプリで確認してください

利用開始方法

スマートフォンのマイナンバーカードの利用開始は、マイナポータルアプリから行います。

事前準備

  • 物理的なマイナンバーカード
  • 署名用電子証明書のパスワード(6〜16桁)
  • 利用者証明用電子証明書のパスワード(4桁)
  • 対応スマートフォン(NFC機能搭載)
  • 最新版のマイナポータルアプリ

Android版の利用開始手順

  1. Google Playからマイナポータルアプリをインストールまたはアップデート
  2. アプリを起動し、「スマホ用電子証明書の搭載」を選択
  3. 画面の案内に従って、マイナンバーカードをスマホにかざす
  4. 署名用電子証明書のパスワード(6〜16桁)を入力
  5. 利用者証明用電子証明書のパスワード(4桁)を入力
  6. 電子証明書の搭載が完了

iPhone版の利用開始手順

  1. App Storeから最新版のマイナポータルアプリをインストール
  2. アプリを起動し、「Appleウォレットに追加」を選択
  3. 画面の案内に従って、マイナンバーカードをiPhoneにかざす
  4. 署名用電子証明書のパスワード(6〜16桁)を入力
  5. 利用者証明用電子証明書のパスワード(4桁)を入力
  6. Appleウォレットへの追加が完了

💡 所要時間

利用開始手続きは約5〜10分で完了します。一度設定すれば、以降はカード読み取り不要で各種サービスを利用できます。

電子署名くんとの併用で便利に

スマートフォンのマイナンバーカードと「電子署名くん」を併用すると、さらに便利になります。

電子署名くんでできること

  • PDF書類への電子署名
    e-Taxの添付書類、申請書など、任意のPDF書類にマイナンバーカードの電子署名を付与できます。
  • 完全ローカル処理
    PDFデータは外部サーバーに送信されず、iPhone内で署名処理が完結します。
  • 簡単操作
    iPhone + マイナンバーカードをかざすだけで、署名付きPDFが作成できます。

使い分けの例

利用シーン おすすめの方法
e-Tax確定申告の電子署名 スマホ版マイナンバーカード(カード読み取り不要)
e-Tax添付PDFへの電子署名 電子署名くん(PDF署名に特化)
マイナポータル「ぴったりサービス」申請 スマホ版マイナンバーカード
契約書PDFへの電子署名 電子署名くん
登記申請書PDFへの電子署名 電子署名くん

よくあるエラーと対処法

エラー1:「お使いのスマートフォンは対応していません」と表示される

原因:スマホのOSバージョンまたはNFC機能が非対応

対処法:

  • Android: Android 8.0以降にアップデート
  • iPhone: iOS 18以降にアップデート(iPhone XS以降の機種)
  • NFC機能が搭載されているか確認(設定アプリで確認可能)
  • それでも解決しない場合は、物理カードとカードリーダーを利用

エラー2:パスワードエラーで搭載できない

原因:電子証明書のパスワードが間違っている、またはロックされている

対処法:

  • 署名用電子証明書は6〜16桁、利用者証明用は4桁であることを確認
  • パスワードを忘れた場合は、市区町村窓口で再設定が必要
  • 5回連続で間違えるとロックされるので注意
  • ロックされた場合も市区町村窓口で解除手続きが必要

エラー3:カード読み取りに失敗する

原因:カードとスマホの位置がずれている、または金属製のケースが干渉

対処法:

  • マイナンバーカードをスマホ背面の中央に、ぴったりと重ねて置く
  • 金属製のスマホケースは外す(NFCを遮蔽するため)
  • 読み取り中はカードとスマホを動かさない
  • マイナンバーカードの汚れや破損を確認

よくある質問(FAQ)

Q: スマホ版を設定すると、物理カードは使えなくなりますか? A: 物理カードもそのまま使えます。スマホ版と併用可能です。
Q: スマホを機種変更したらどうなりますか? A: 新端末で再設定が必要です。物理カードと暗証番号があればすぐ移行できます。
Q: iPhoneとAndroidで機能に違いはありますか? A: 基本機能は同じですが、iPhoneはAppleウォレット統合など一部の連携が異なります。
Q: スマホ版マイナンバーカードのセキュリティは大丈夫ですか? A: 電子証明書はセキュアエレメントに保管され、暗号化とパスワードで保護されるため安全です。
Q: 電子署名くんとスマホ版マイナンバーカードの違いは何ですか? A: スマホ版は行政手続きの本人確認向け、電子署名くんは任意PDFの署名に使うため併用が便利です。

参考リンク・出典

スマホでPDF書類に電子署名

iPhone+マイナンバーカードで、e-Tax添付書類や各種申請書のPDFに電子署名を付与。スマホだけで行政手続きが完結します。