マイナンバーカードで電子署名する方法|スマホでPDF署名の完全ガイド

要点まとめ

マイナンバーカードには署名用電子証明書が格納されており、e-Tax や行政申請で電子署名に利用できる

電子署名には本人確認と改ざん検知の2つの重要な機能があり、オンライン申請の信頼性を確保する

スマホで完結したい場合、iPhone +マイナンバーカード+電子署名くんで PDF に電子署名できます

マイナンバーカードとは

マイナンバーカードは、国民一人一人に付与されている個人番号と顔写真、ICチップが搭載されたカードです。正式名称は「個人番号カード」といい、2016年1月から交付が開始されました。

当初は普及が進みませんでしたが、行政が普及促進に力を入れたことで、現在では多くの国民が取得しています。特に医療、納税、各種行政手続きでの活用が認知されてきたことが、普及の大きな要因となっています。

マイナンバーカードに記載される情報

カード表面には、氏名、住所、生年月日、性別の4つの基本情報が記載されています。加えて、ICチップ内には署名用電子証明書利用者証明用電子証明書の2種類の電子証明書が格納されています。

署名用電子証明書とは

署名用電子証明書は、e-Taxでの確定申告や電子文書送信時に、文書が改ざんされていないことを確認できる仕組みを持った電子証明書です。マイナンバーカードの交付時に自動的に格納されます。

2種類の電子証明書の違い

  • 署名用電子証明書:e-Tax申告書やPDF文書に電子署名を行う際に使用。暗証番号は6〜16桁の英数字
  • 利用者証明用電子証明書:マイナポータルへのログインやコンビニ交付など、本人確認が必要な場面で使用。暗証番号は4桁の数字

なぜ電子署名が必要なのか

電子申告やオンライン申請では、紙の書類における押印や署名の代わりに電子署名が本人確認の役割を果たします。電子署名には2つの重要な機能があります。

1. 本人確認(認証機能)

マイナンバーカードに格納されている JPKI 電子証明書を使って電子署名を行うことで、「この書類は確かに本人が作成・提出したものである」ことを証明します。これにより、なりすましや虚偽申請を防止できます。

2. 改ざん検知(完全性の保証)

電子署名が付与された書類は、後から内容が改ざんされていないことを数学的に証明できます。もし1文字でも変更されれば、電子署名の検証が失敗するため、データの完全性が保証されます。

国税庁や各省庁は、電子申告の信頼性を確保するため、マイナンバーカードによる電子署名を必須としています(出典:e-Tax 公式サイト)。

マイナンバーカードで電子署名を行う手順

マイナンバーカードを使ってPDF書類に電子署名を行うには、以下の手順を進めます。

  1. マイナンバーカードの取得
    市区町村の窓口で交付申請を行います。約1ヶ月後に交付通知書が届き、本人確認書類を持参して受け取ります。交付時に署名用電子証明書の暗証番号(6〜16桁の英数字)を設定します。
  2. 電子署名対応デバイスの準備
    PCの場合はICカードリーダライタが必要です。iPhoneの場合は、NFC機能を使ってマイナンバーカードを直接読み取れるため、追加機器は不要です。
  3. 署名ソフト・アプリのインストール
    PCの場合はJPKI利用者ソフト、iPhoneの場合は電子署名対応アプリをインストールします。
  4. 電子署名の実行
    アプリでPDFを開き、署名用電子証明書の暗証番号を入力してマイナンバーカードを読み取ると、数秒で電子署名が完了します。

スマホで完結する方法(iPhone対応)

従来はPCとICカードリーダーが必要でしたが、現在はiPhoneのNFC機能を使えば、スマホだけでPDF書類に電子署名できます。

iPhone+電子署名くんの手順

  1. App Storeから「電子署名くん」をダウンロード
  2. アプリで署名したいPDFを開く
  3. 「電子署名」メニューを選択
  4. 署名用電子証明書の暗証番号(6〜16桁英数字)を入力
  5. iPhoneの背面上部にマイナンバーカードをかざす
  6. 数秒で電子署名が付与されたPDFが生成される

準備から署名完了までわずか3〜5分。PCやカードリーダーは一切不要で、iPhone1台で完結します。

よくあるエラーと対処法

エラー1:「カードが読み取れません」

Error: カードの読み取りに失敗しました。カードの位置を確認してください。

対処法:マイナンバーカードをiPhoneの背面上部中央に正しく当て、2〜3秒間動かさずに保持してください。カードとデバイスの間に金属製のケースやカバーがあると読み取りに失敗することがあります。

エラー2:「署名用電子証明書の暗証番号が違います」

Error: 暗証番号が正しくありません。残り試行回数:2回

対処法:署名用電子証明書の暗証番号(6〜16桁英数字)を入力してください。利用者証明用(4桁数字)とは異なります。3回連続で間違えるとロックされ、市区町村窓口での再設定が必要になります。

エラー3:「署名用電子証明書の有効期限が切れています」

Error: 電子証明書の有効期限が切れています。

対処法:署名用電子証明書の有効期限は発行日から5回目の誕生日までです。市区町村の窓口で更新手続きを行ってください。有効期間満了日の3ヶ月前から更新可能です。

よくある質問

Q: 署名用電子証明書は必ず必要ですか? A: e-Tax での確定申告や行政オンライン申請を利用する場合は必要です。市区町村窓口で後から追加できますが、費用は変わらないため最初から取得をお勧めします。
Q: 署名用電子証明書を不要にした場合、あとから追加できますか? A: 可能です。市区町村窓口でマイナンバーカードへの電子証明書追加手続きを行えば搭載できます。
Q: 署名用電子証明書の確認方法は? A: JPKI 利用者ソフトを使用することで、有効期限や状態を確認できます。無料で利用でき、アクセス回数制限もありません。
Q: 署名用電子証明書の有効期限は? A: 発行日から5回目の誕生日までです(約5年間)。有効期間満了日の3ヶ月前から更新手続きが可能です。

参考リンク

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