e-Tax スマホ用電子証明書とは|令和7年対応の申告手順と電子署名
令和7年1月6日から、e-Tax では「スマホ用電子証明書」の利用が可能になりました。この証明書を使えば、マイナンバーカードをスマホで読み取らなくても申告書の作成・送信ができます。
スマホ用電子証明書は、申告データに電子署名を付与して本人確認と改ざん防止を行う仕組みです。従来のマイナンバーカード読み取りと同等の法的効力を持ちます。
スマホだけで完結したい場合、iPhone+マイナンバーカード+電子署名くんで PDF に電子署名できます。添付書類の電子署名も数十秒で完了します。
スマホ用電子証明書とは
スマホ用電子証明書は、デジタル庁が提供する新しい本人確認の仕組みです。マイナンバーカードから電子証明書をスマートフォンに移行することで、カードを持ち歩かなくても各種行政手続きができるようになります。
e-Tax では令和7年1月6日からこの証明書に対応し、申告書の作成・送信時にマイナンバーカードを読み取る手間が不要になりました。利用者証明用電子証明書に設定したパスワード(4桁の数字)の代わりに、生体認証(顔認証・指紋認証)も利用できます。
ただし、基本4情報(氏名・住所・生年月日・性別)やマイナンバーは証明書に含まれないため、初回の給与所得の源泉徴収票情報取得などでは従来通りマイナンバーカードの読み取りが必要です。
なぜ電子署名が必要か
e-Tax による電子申告では、申告データの送信時に電子署名が必須となっています(出典:e-Tax スマホ用電子証明書対応のお知らせ)。電子署名は紙の申告書における押印に相当し、以下の役割を果たします。
- 本人確認:申告者が確かに電子証明書の所有者であることを証明
- 改ざん防止:送信後にデータが書き換えられていないことを保証
- 否認防止:後から「申告していない」と主張できないようにする
スマホ用電子証明書でも、マイナンバーカードの電子証明書と同等の法的効力が認められています。
スマホ用電子証明書の利用開始手順
スマホ用電子証明書を e-Tax で利用するには、以下の手順で事前準備が必要です。
- マイナポータルアプリのインストール:App Store または Google Play からダウンロード
- 利用申請:マイナポータルアプリから「スマホ用電子証明書」メニューを選択
- マイナンバーカードで本人確認:カードをスマホにかざして署名用パスワード(6〜16桁)を入力
- 証明書の発行:スマホに電子証明書が保存され、以降はカード読み取り不要
- e-Tax での利用:確定申告書等作成コーナーで「スマホ用電子証明書でログイン」を選択
証明書の有効期間はマイナンバーカードの電子証明書と同じ最長5年です。期限が近づいたら、マイナポータルアプリから更新手続きを行ってください。
Android と iOS の対応状況
令和7年1月時点では、スマホ用電子証明書は Android のみで利用可能です。対応機種は Android 9.0 以降を搭載し、NFC 機能を備えた端末です。
iPhone(iOS)については、デジタル庁が令和7年春のリリースを目指して取り組みを進めています。リリース後は iPhone 8 以降の機種で利用できる見込みです。
現時点で iPhone ユーザーは、従来通りマイナンバーカードを NFC で読み取る方式を利用する必要があります。
PDF 添付書類への電子署名
e-Tax で医療費の領収書や寄附金受領証明書などを PDF で提出する際には、別途電子署名が必要です。スマホ用電子証明書は e-Tax アプリ内の申告書送信にのみ対応しており、PDF ファイルへの直接署名はできません。
PDF への電子署名には、マイナンバーカードの署名用電子証明書を使う必要があります。iPhone ユーザーなら「電子署名くん」アプリを使うことで、スマホだけで PDF に電子署名を付与できます。
電子署名くんは、マイナンバーカードの NFC 読み取りから署名完了まで数十秒で処理できる無料アプリです(一部機能は有料)。e-Tax の添付書類作成に最適です。