商業・法人登記の電子公証とは|指定公証人と電子署名の関係を解説

要点まとめ

商業・法人登記の電子公証は、定款などの文書を公証人がオンラインで認証する制度であり、登記ねっとを通じて申請できます。

電子公証を受けるには、申請者が電子署名を付与した PDF を提出する必要があり、指定公証人が電子的に認証を行います。

スマホだけで完結したい場合、iPhone+マイナンバーカード+電子署名くんでPDFに電子署名できます。

電子公証と指定公証人の役割

電子公証は、公証人が電子文書の作成者本人確認と内容の真正性を証明する制度です。会社設立時の定款認証や重要契約書の公証で利用されます。

指定公証人とは、法務大臣により電子公証業務を行うことを指定された公証人です。各公証役場に配置され、登記ねっと経由で電子公証の申請を受け付けています(出典:登記・供託オンライン申請システム)。

なぜ電子署名が必要か

電子公証の申請では、提出する定款や契約書 PDF に申請者本人の電子署名が必須です。これにより文書が本人により作成され改ざんされていないことを証明します(出典:法務省)。

電子署名がない文書は公証人が真正性を確認できないため、電子公証の対象として受理されません。

電子公証が必要な主な登記手続き

  • 株式会社設立時の定款認証:発起人全員の電子署名が必要
  • 合同会社設立時の定款:電子公証は任意ですが電子署名は推奨
  • 役員変更登記:議事録などに代表者の電子署名
  • 本店移転登記:申請書や株主総会議事録に電子署名

いずれの手続きでも、登記申請書や添付書類に電子署名を付与することで、オンライン申請が完結します。

スマホで定款や登記申請書に電子署名する手順

電子署名くんを使えば、iPhone だけで定款や登記申請書 PDF に電子署名を付与できます。

  1. 電子署名くんを起動し、定款または登記申請書 PDF を選択
  2. 「署名する」をタップし、マイナンバーカードを iPhone で読み取る
  3. 署名用パスワード(6〜16桁)を入力
  4. 署名済み PDF が生成され、登記ねっとへそのまま提出可能

事前に指定公証人のいる公証役場を登記ねっとで確認しておくとスムーズです。

指定公証人の変更について

指定公証人は人事異動や定年により変更されることがあります。法務省は登記ねっとのお知らせページで指定公証人の変更を事前に告知しており、申請予定者は確認が推奨されます。

指定公証人の変更により申請先が変わる場合がありますが、電子署名の方法や必要書類に変更はありません。

よくあるエラーと対処法

  • 「署名用電子証明書が取得できません」:マイナンバーカード発行時に署名用証明書を取得していない可能性があります。市区町村窓口で発行してください。
  • 「公証人が指定されていません」:申請先の公証役場に指定公証人が配置されているか登記ねっとで確認してください。
  • 「PDF が開けません」:署名済み PDF は Adobe Acrobat Reader などの対応ソフトで開いてください。

よくある質問

Q: 電子公証は紙の公証より安いですか? A: 電子公証は印紙代が不要なため、紙の公証より費用を抑えられます。
Q: 定款認証は全国どこの公証役場でも可能ですか? A: 株式会社は本店所在地の都道府県内、合同会社は全国どこでも可能です。
Q: 電子署名の有効期限はありますか? A: 署名用電子証明書は発行から5回目の誕生日まで有効です。
Q: 複数人で署名する場合はどうしますか? A: 各自が順番に電子署名を付与し、最後に公証役場へ提出します。

参考リンク

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