商業登記電子証明書とは|取得方法・費用・オンライン申請の手順
商業登記電子証明書は、オンラインでの商業登記申請に必要な法務局発行のデジタル証明書です。会社・法人の代表者等に対して発行され、電子署名を通じて本人確認と改ざん防止を実現します。
オンライン登記申請では、申請書や添付書類の PDF に電子署名が必要です。商業登記電子証明書を使った署名により、紙の印鑑証明書と同等の法的効力が認められます。
スマホだけで完結したい場合、iPhone+マイナンバーカード+電子署名くんで PDF に電子署名できます。登記申請の添付書類作成も数十秒で完了します。
商業登記電子証明書とは
商業登記電子証明書は、「商業登記に基づく電子認証制度」のもとで法務省(登記所)が電子認証局となり、会社・法人の代表者について証明する制度です。この証明書により、インターネット上で「その会社が実在すること」「代表者本人であること」を証明できます。
従来は登記簿謄本(履歴事項全部証明書)や印鑑証明書を紙で提出していましたが、この制度により電子データの形式で証明が可能になりました。オンライン登記申請では、この証明書による電子署名が必須です。
法務局のみが発行できる証明書であり、民間事業者が提供する電子証明書(GMO Agree、クラウドサインなど)では商業登記申請を完結できません。登記申請を予定している場合は、必ず法務局で取得する必要があります。
なぜ電子署名が必要か
商業登記のオンライン申請では、申請書と添付書類の両方に電子署名が必須となっています(出典:GVA 法人登記 商業登記電子証明書の解説)。電子署名は以下の役割を果たします。
- 本人確認:申請者が会社・法人の正当な代表者であることを証明
- 改ざん防止:送信後にデータが書き換えられていないことを保証
- 否認防止:後から「申請していない」と主張できないようにする
商業登記情報が証明の根拠となっているため、会社代表印によって証明されていた事項は商業登記電子証明書でしか証明できません。
取得方法と必要な手順
商業登記電子証明書を取得するには、専用ソフトウェアのインストールと法務局への申請が必要です。以下の手順で取得できます。
- 専用ソフトのインストール:法務省のサイトから「商業登記電子認証ソフト」をダウンロード(Windows のみ対応)
- 申請ファイルの作成:会社情報・代表者情報・証明期間・パスワードを入力して、鍵ペアファイルと証明書発行申請ファイルを作成
- 法務局への申請:管轄登記所に、代表印を押印した発行申請書(収入印紙を貼付)と申請ファイルを保存した CD-ROM または USB メモリを提出
- 証明書の取得:発行確認票に記載されたシリアル番号を使い、専用ソフトで電子証明書をダウンロード
証明書はパソコン内に保存され、オンライン申請時に使用します。有効期間は最長27か月で、期限が切れたら再取得が必要です。
取得費用と証明期間
商業登記電子証明書の取得費用は、証明期間(有効期間)に応じて異なります。令和7年4月に手数料の引下げが行われました。
| 証明期間 | 手数料(収入印紙) |
|---|---|
| 1か月 | 6,000円 |
| 3か月〜27か月 | 期間に応じて異なる |
証明期間が終了しても更新はできず、初回取得時と同じ手続きが必要です。また、証明期間中に本店移転や商号変更、代表者の変更などが発生した場合も再取得が必要です。残存期間があっても手数料の払い戻しはありません。
民間の電子証明書との違い
商業登記申請で使える電子証明書には、法人向けと自然人向けの2種類があります。
- 会社・代表者の証明:商業登記電子証明書のみが使用可能(法務局発行)
- 自然人としての本人証明:マイナンバーカードの電子証明書や、民間事業者の電子証明書(セコムパスポート for g-id など)も使用可能
オンライン登記申請を完結するには、上記2種類の証明書が必要です。民間の電子証明書だけでは、会社・法人としての証明ができないため、登記申請を完結できません。